facing true south
快適な室内環境を実現する最適なカタチを探求することを主題とした木造住宅です。
冬に明るく暖かい室内空間を実現するには建物内に多くの直射日光を導く必要があります。たとえば屋根にトップライトを設ければ直射日光が存分に射し込みますが、夏の冷房負荷を著しく増大させてしまうため、通年の快適性を考慮するならば採用に難があります。そこでハイサイドライトを屋根に設けることを考えました。真南向きのハイサイドライトは、冬にトップライトと同等の直射日光を取得する一方、適切な長さの庇を設けることで夏には直射日光が室内に入るのを防ぐことができます。敷地形状と方位、周辺の建物との関係性を考慮し、勾配のある屋根に真南向きのハイサイドライトを持った屋根形状のスタディを積み重ねた結果、とても特徴的な住宅が実現されました。
この住宅は、平面矩形が南方向に対して斜めを向いていたため、片流れの大きな屋根に2つのハイサイドライトが斜めに切り込まれたような独特なカタチとなっています。大きなハイサイドライトからは青い空と太陽、雲や雨、ときには雪といった刻々と移ろいゆく変化と共に屋根を身近に感じることができます。
内部の空間に生まれた天井の高低差を利用することで、夏は重力換気により室温を下げ、冬には天井付近に溜まった暖気をサーキュレーターによって循環させることで、屋根の下の大きな空間の温熱環境の平準化を図っています。
CATEGORIES
LOCATION
石川県金沢市
YEAR
2011
COLLABORATORS
大野博史/オーノJAPAN,山田浩幸/ymo
CONSTRUCTION
加賀建設