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lighted valley

金沢市のはずれの山の麓に建つ若い家族のための小さな木造住宅です。
造成が行われ6つの宅地に分譲されたうちの1区画で、西向きに末広がりとなる歪な五角形の敷地でした。そこで東西に細長い2つの直方体ボリュームをそれぞれ南北の敷地境界線に沿って配置し、その隙間から採光を得ることによって「光の降り注ぐ谷」のような空間をつくり出そうと考えました。
リビングやキッチンを配した南側のボリュームは高さ5メートル、その他の諸室を2層に収めた北側のボリュームは高さ7.5メートルとし、それら2つの隙間を埋める屋根を高さ3メートルと低く抑え、南北2つのボリュームが向かい合う面を鉄骨によるフィーレンディールトラスによって補強を行った上で完全に開放することで、「光の降り注ぐ谷」を実現しています。
「光の降り注ぐ谷」は南北のボリュームのそれぞれの空間に不思議な距離感を生み出しています。間に挟まれた天井の低い空間にいるときは谷の底にいるような静けさと落ち着きがあり、階段を上り下りするときには谷を見下ろしながら山の斜面を行き来するような高揚感があります。自然のような複雑さではなく、きわめてシンプルな平面と断面で、さほど大きくはない住宅に多様な空間体験をつくり出すことができたのではないかと感じています。

CATEGORIES

HOUSE

LOCATION

石川県金沢市

YEAR

2013

COLLABORATORS

オーノJAPAN