湯島の集合住宅
文京区湯島に建つ7階建て全22戸の賃貸集合住宅です。
敷地はグリッド状に整備された街区の中央で、周囲を建物に囲まれ、駐車場として利用されていた場所でした。
この建物は免震構造を採用しています。1階の床レベルを地面よりも1.5メートルほど高く設定することで(高床免震工法)、根切り量を減らし、残土の排出量も最小限にとどめることで、環境に対する配慮や工期の短縮化、工事費削減を可能にしています。
地震時の建物の挙動を考慮し、免震構造に適した建物形状や合理的な平面計画を追求した結果、幅が狭い接道部分を避け、奥まった位置に建物を配置することになりました。建物前面の空地部分を利用し、1.5メートルの段差を解消する階段をゆったりとした幅員と緩やかな勾配によって設えています。道路から前面空地の緑地、避難経路ともなるピロティに沿って免震上必要となる離隔部分に設けた緑地、敷地奥の緑地へと、豊かな緑を感じながら変化のある移動を体験できる共用空間を実現することができました。
住戸については1階から5階は単身者向け、6階と7階はファミリー向けの構成となっています。柱・梁・天井をコンクリート打放し仕上げとすることで、すべてがビニルクロスで覆われた単調なものではなく、建物の成り立ちを感じさせる空間をつくりたいと考えました。
一方、外観についてはバルコニーの手すりをアルミパンチングメタルのスクリーンとすることで、室外機や給湯器を隠すと同時に、透過性があり軽やかなファサードを実現しました。赤茶系の外観は植栽の緑とも相まって、やや殺風景な湯島の通りに対し、奥行きと変化のある風景を提供しています。
CATEGORIES
LOCATION
東京都文京区
YEAR
2013
COLLABORATORS
スターツ免制震構造研究所,ymo,リュースニング,Lighting.air